更新日:2025年5月20日
送迎会は、異動や退職をする人との別れを惜しむ送別会と、新しく仲間になる人を迎える歓迎会とが一つになった会です。
本記事では、送迎会についてや実施するタイミング、準備・開催する段取り、成功させるポイントと注意点、送迎会におすすめの企画を紹介します。
送迎会とは、職場のメンバーの異動や退職、新入社員の入社などをきっかけに開催する、送別と歓迎の両方の意味合いを持つ会です。歓送迎会と呼ぶこともあります。
送迎会の主な目的は、新しく職場に加わる人や、これから別の道を進む人に対して、組織として歓迎や感謝の意を伝えることにあります。新入社員にとっては、リラックスした雰囲気のなかで職場の人間関係を築く第一歩となります。異動者や退職者にとっては、組織で過ごした時間の締めくくりとなります。
組織の一員として、最初もしくは最後の瞬間に行われる送迎会は、その人の職場に対する印象を大きく左右します。温かく迎えられた新入社員は安心して業務に取り組みやすくなり、気持ちよく送り出された異動者・退職者は、職場への感謝とともに新たな道へ進むことができるでしょう。
送迎会と送別会は似ていますが、意味や目的が異なります。送別会は、組織から異動・退職・転職する人を送り出す会で、これまでの感謝や労いの気持ちを伝える場です。
一方、送迎会は「送る」と「迎える」の両方の意味を含みます。送別とともに、新たに加わる人の歓迎も行う会です。職場の人事異動や組織変更など、同じタイミングで人の入れ替わりがある場合に送迎会を開催します。それぞれの意味を理解し、状況に応じて使い分けましょう。
送迎会は、送別会と歓迎会をまとめて行うため、参加者の時間的・金銭的な負担が減るのがメリットです。
送迎会は、一般的に異動や退職・入社などの節目に合わせて行うため、年度末の3月や新年度の4月に開催する傾向があります。実施するタイミングとしては、退職や異動の直前、入社や配属から1〜2週間以内が理想的です。
基本的には、組織を離れる人と新たに加わる人、どちらも所属しているタイミングで行います。日程の調整が難しい場合は、送別会・歓迎会を別々に行う方がスムーズでしょう。
異動や組織変更の多い組織では、送迎会をその都度開催することもありますが、頻繁に行いすぎると参加者の負担になる可能性があります。参加しやすい頻度で実施しましょう。
ここでは、送迎会を準備・開催する段取りについて解説します。
まずは幹事メンバーを決めます。一人で進めることも可能ですが、規模が大きくなればなるほど会をまとめる難易度はあがります。また幹事が複数名いれば、誰かが一歩引いて全体を見渡す余裕が生まれます。信頼の置ける仲間を集めましょう。
次に、送迎会の目的を設定します。主役となる人物や、どのようなメッセージを送りたいのかを明確にしましょう。目的がはっきりすると、参加対象者や会場の雰囲気、企画内容やプレゼント選びなど、具体的な準備の方向性が見えてきます。また、この時点で主役の希望や都合を確認しておくと、より満足度の高い会を実現できます。
次に、送迎会の予算を決めます。参加人数を大まかに想定し、会場費・飲食費・主役へのプレゼント代などの費用を見積もります。全体の予算が決まったら、それを参加人数で割り、一人当たりの会費を算出しましょう。ただし、主役の分は参加者全員で割るのが一般的です。また、会社の経費が使える場合は、その額を差し引いて会費を決定します。
送迎会に会社の経費を使う場合、勘定科目は「福利厚生費」もしくは「交際費」を利用するのが一般的です。従業員全員が参加対象であれば「福利厚生費」となります。特定の部署や関係者のみが対象であれば「交際費」となります。経費を利用するかどうかや、実際にどの勘定科目を使うかは、上長や経理担当者と相談して決めましょう。
続いて、送迎会の日程を決めましょう。まずは主役となる人物に都合のいい日時を聞きましょう。次に、上長や主要メンバーに出席可能な日を確認し、なるべく多くの人が参加できる日程を選びます。その際、日程調整ツールを活用すると便利です。また、繁忙期や他の行事と重ならないよう配慮しましょう。
送迎会を成功させるために、会場は早めに予約したいところです。送迎会の参加人数や目的に合った会場を探しましょう。個室や飲み放題プランの有無、料理の内容、会社からのアクセスのよさなどを基準に比較検討します。
特に年度末や新年度は、送迎会が多く会場が埋まりやすいため、できれば2ヶ月前、遅くても1ヶ月前には予約をすることをおすすめします。
一堂に会するのが難しい場合は、オンラインの送迎会も検討しましょう。その場合は、ZoomやMicrosoft Teams、Google MeetなどのWeb会議システムを使って交流します。
ここまで決まったら、参加者へ告知を行いましょう。社内メールやチャットツール・掲示板など、職場で普段使っている連絡手段を活用します。出欠確認のための返信方法や締め切りも明記し、スムーズな準備につなげましょう。
送迎会のプログラムや進行の流れを決めます。乾杯・食事・スピーチ・プレゼント贈呈・記念撮影など、実施したい内容をリストアップし、タイムスケジュールを作成します。スケジュールが後ろにずれる可能性を考慮し、時間に余裕を持たせましょう。
送迎会に演出を加えることで、より記憶に残るイベントにすることができます。
例えば、主役の写真をまとめたスライドショーやサプライズムービーを上映すれば、参加者の笑いや感動を誘えるでしょう。主役に関するエピソードを交えたクイズ大会は、会場の雰囲気を和ませながら、主役に感謝や歓迎の気持ちを伝えられます。食事をしながら楽しめるアクティビティも気楽に盛り上がることができておすすめです。
詳しくは「送迎会におすすめの企画6選」で紹介します。
組織を離れる人に、感謝や労いの気持ちをプレゼントで示しましょう。新入社員や異動者に、歓迎の意味を込めた贈り物をしてもいいでしょう。
送迎会の当日は、事前に作成したタイムスケジュールをもとに進行します。幹事メンバーや司会進行役、当日のスタッフにはタイムスケジュールを事前に共有し、準備をしてもらいましょう。
当日は金銭の授受も発生します。お金に携わる人はあまり深酒をせず、支払いが終わってから楽しみましょう。また写真撮影係を設けておくと、会の記録が残せるためおすすめです。
送迎会が終わったら、当初の目的が達成できたか、幹事メンバーで振り返りましょう。改善点を文書にまとめておくと、次回の送迎会幹事に共有できるため便利です。
当日の写真は、参加者に共有すると喜ばれるでしょう。
ここでは、送迎会を成功させるためのポイントと注意点を解説します。
まずは、主役の希望を尊重しましょう。会場の好みやスピーチに関する希望、苦手な演出などを事前に確認することで、より本人に寄り添った会を実現できます。
送迎会において、料理と飲み物は参加者の満足度を大きく左右します。参加者の年齢層や好みを踏まえて、和洋中のジャンルを決めたり、主食と主菜・副菜のバランスを考慮したコースを選んだりしましょう。また、飲み物はアルコールだけでなく、ソフトドリンクも豊富に選べると、誰もが楽しめる空間になります。
貸会議室やイベントスペースを利用する場合は、ケータリングサービスを利用するのが便利です。詳細は「送迎会におすすめの企画6選」で紹介します。
送迎会では「誰もが楽しめる雰囲気づくり」を心がけ、内輪ノリにならないように気をつけましょう。一部の人だけがわかる話題ばかりだと、特に新しく迎える方は、馴染みにくい組織だと感じるかもしれません。幹事や司会進行役は、全体を見渡して偏りが生じないように配慮しましょう。席順に工夫を加えたり、初めての人同士でも楽しめる企画を実施したりして、多くの人が交流できるように促すのがポイントです。
送迎会では、飲酒や不適切な言動を強要するなど、ハラスメントが起きないように注意します。アルコールが苦手な人や健康・宗教上の理由で飲めない人もいるため、「飲まない=ノリが悪い」といった発言があれば止めましょう。苦痛を感じる人が出ないように、幹事が率先して気を配ることが重要です。
送迎会では写真を撮る機会が多くなりますが、その写真は不用意にSNSに投稿しないようにしましょう。ネット上に顔写真を公開することでトラブルが発生する可能性もあります。投稿をしたい場合は「この写真をSNSに載せても大丈夫ですか?」と確認をし、必要に応じて顔にモザイクを入れるなどの対応をしましょう。
送迎会の準備は多岐にわたります。よりクオリティの高い会にしたい、幹事の手間を最小限にしたい、などの要望がある場合は、専門の会社に依頼するものおすすめです。自分たちではなかなか実現が難しい演出や企画を期待できるでしょう。食事の準備のみ、ムービーの制作のみなど、一部を依頼することも可能です。
「イベントムービープロデュース」は、イベント向きの映像を制作できるサービスです。送別する方のこれまでの活躍や職場での思い出、歓迎する方へのメッセージなどを映像にして上映することで、心に残る送迎会を演出できます。費用を抑えながら、送迎会の目的に適した映像をつくれます。
「オール社員感謝祭」は、自分たちだけのオリジナル問題を出題できるバラエティ型クイズ大会です。クイズ問題を自由にカスタマイズできるため、自社や送迎会の主役に関する問題を作成できます。クイズの回答はWebシステムで集計できるため便利です。
「格付けバトル」は、テレビ番組のような企画を体験できる、五感で楽しむクイズゲームです。参加者は「俳句」や「牛肉」など、4つのジャンルで「一流の品」を見極め、全問正解を目指します。インパクトのある企画を実施したい方におすすめです。
「ゴチバトル」は、高級店出身のシェフが考案した全4品の料理を実⾷し「実際にレストランで出したら何円か」を予想する金額当てゲームです。高級な食材を味わいながら、まるでテレビ番組のゲストになったような気分になれる企画です。
「ビジメシケータリング」は、送迎会におすすめのケータリングサービスです。見た目も華やかで食べやすい料理を会場まで届けてもらえ、設営や片付けも任せられます。幹事が準備に追われることなく、参加者と一緒に食事を楽しめます。
プランはカジュアルなものから贅沢なメニューを楽しめるものまで豊富で、寿司職人が出張してパフォーマンスをする「寿司握りLIVEプラン」のような珍しいものもあります。会場の装飾やロゴ入りのメニュー、ノベルティ作成などの依頼もできます。
「トータルイベントプロデュース」は、イベント企画から装飾、動画制作、食事の手配まで、一気通貫に依頼できるサービスです。
記憶に残る送迎会を一からつくりたい方や、専門の会社にすべてお任せしたい方におすすめです。
送迎会は、感謝の気持ちや新たな門出を祝う心が込められた会です。新たに組織に加わる人や組織から離れる人は、楽しい送迎会に参加することで、その後の日々を前向きな気持ちで過ごすことができるでしょう。送迎会を予定している方は、この記事を参考に、ぜひ素敵な送迎会を開催してください。