更新日:2025年5月20日
祝賀会は、会社や団体が大きな節目を迎えた際や、社員の功績を称える際に開催される、格式の高い行事です。単なる懇親会とは異なり、主賓への感謝や敬意を伝える場であり、企画や進行には配慮が求められます。
本記事では、祝賀会の種類や一般的な流れ、参加者の記憶に残る企画例、さらに準備のポイントや服装マナーまでをわかりやすく解説します。
祝賀会とは、喜ばしい出来事や記念すべき節目を祝うために開催される式典です。
会社での受賞や叙勲、団体の創立記念など、さまざまな場面で開催され、主催者や主賓、関係者が感謝と喜びを共有します。
祝賀会では、進行や演出に加えて、服装にも配慮が必要です。会社の印象や信頼にも影響を及ぼす可能性があるため、しっかりとした配慮と準備が欠かせません。
祝勝会とは、主にスポーツの試合や競技会などでの勝利を祝う会のことです。選手やチームの関係者が参加し、その功績を祝福します。
祝賀会と祝勝会の主な違いは、祝いの対象です。祝勝会は勝利という成果を祝うのに対し、祝賀会は功績や会社の節目などより幅広い喜ばしい出来事を対象とします。また、祝賀会はビジネスの場で開催されることが多く、祝勝会よりもより格式が高い傾向があります。
祝賀会には様々な種類があり、目的や対象に応じて様々な形式で開催されます。ここでは、主な祝賀会の種類4つを紹介します。
種類 | 概要 |
受賞祝賀会 | 特定の分野での功績や才能が認められ、賞を受賞した人を祝うための式典
(例)芥川賞、ノーベル賞、アカデミー賞などの受賞者を称える |
受章祝賀会 | 国から章を授与された人を祝うための式典
(例)紫綬褒章、黄綬褒章などの褒章を受けた人の功績を讃える |
叙勲祝賀会 | 国から勲章を授与された人を祝うための式典
(例)文化勲章、旭日章などの勲章を受けた人の国家への貢献を称える |
周年記念祝賀会 | 会社や団体などの設立からの節目を祝う式典
(例)5周年、10周年、20周年などの節目を祝う |
受賞祝賀会とは、特定の分野における功績や才能が認められ、賞を受けた人を祝う式典です。芥川賞、ノーベル賞、アカデミー賞など、国内外の著名な賞の受賞者を称えます。
その分野の発展に寄与した貢献を讃えるとともに、受賞者の功績を広く社会に知らせることが目的です。また、同じ分野で活躍する関係者や専門家などが集まり、交流を深める機会にもなります。
受章祝賀会は、国家から褒章を授与された人を祝う式典です。対象となる褒章には紫綬褒章、黄綬褒章、藍綬褒章などがあり、長年の社会貢献や専門分野での実績が認められたことを称えます。
格式を重んじながらも、演出に温かみを持たせることで、感謝と尊敬の気持ちが伝わる式典にすることが重要です。具体的には、主賓の歩みを振り返る演出や、家族・関係者などからの祝辞を取り入れることがおすすめです。
叙勲祝賀会は、国家から勲章を授与された人を祝福する、特に格式の高い式典です。文化勲章、旭日章、瑞宝章など、公的・社会的な功績が評価されて贈られる賞を受けた人が対象となります。
叙勲は、主賓本人はもちろん、所属する会社にとっても大きな誇りとなるものです。国会議員や行政関係者など幅広い人を招待し、祝賀会の中でも丁寧な演出と礼儀正しい対応が求められます。
周年記念祝賀会は、会社や団体などの創立からの節目を祝う式典です。これまでの歴史や発展を振り返るとともに、今後の展望を共有します。5周年、10周年、50周年など、節目の年にあわせて開催されることが多く、社内外の関係者を招いて盛大に行われることが一般的です。創立当時の資料の展示や、代表者による記念スピーチ、功労者の表彰などがよく取り入れられます。
祝賀会は、格式や礼儀が求められる式典であるため、基本的な進行の流れをあらかじめ把握し、祝賀会を成功させましょう。ここでは、一般的な祝賀会の流れを紹介します。
祝賀会の冒頭では、司会者によって祝賀会の開会が宣言されます。たとえば、「ただいまより○○祝賀会を開催いたします」という言葉で始めることで、参加者の意識が切り替わり、空気感が引き締まります。
開会宣言は、その後に続く進行すべてに影響を与えます。抑揚や話す速度にも気を配り、堂々とした対応を心がけましょう。
続いて、主賓に対して祝辞が述べられます。基本的には、出席者の中で最も地位の高い人が登壇して、主賓や功績者に対するお祝いの言葉を述べます。
祝辞では、主賓の功績や経歴を称え、その業績が社会や会社にもたらした影響について触れます。また、主賓の人柄や努力の過程も紹介し、参加者全員が共感できる内容を盛り込むことも効果的です。さらに、今後の活躍への期待や健康を祈る言葉などを添えるのもよいでしょう。
祝辞を述べる際は、終わる・消える・流れるなどの忌み言葉を避け、前向きで明るい表現を用いる必要があります。また、3〜5分程度の適度な長さにまとめましょう。事前に原稿を準備し、読む練習をしておくことで、当日は落ち着いて祝辞を述べることができます。
祝辞を読んだら、次に乾杯を行います。基本的には、出席者の中で3番目に地位の高い人や年長者が音頭を取り、全員で祝杯の杯を掲げます。
乾杯の挨拶は簡潔であることが望ましく、1〜2分程度にまとめるのが理想です。挨拶では、祝賀会の開催を祝うとともに、主賓の功績を簡単に称えます。締めくくりは「それでは、○○様のご活躍と皆様のご健勝を祈念いたしまして、乾杯!」といった言葉で結びます。
乾杯の際は、全員が席を立ち、グラスを目線の高さほどに上げるのがマナーです。「乾杯!」の掛け声に合わせてグラスを軽く前に出し、一口飲んでからグラスを置いて拍手します。その瞬間から会場の雰囲気は一気に和らぎ、参加者同士の会話も自然と弾み始めます。
食事や歓談の時間は祝賀会の中で最も長い時間が割り当てられる部分で、参加者同士の交流を深める重要な時間です。一般的には30分から1時間以上の長めの時間が設けられます。
その時間帯では、参加者は自由に席を移動しながら、様々な人と会話を楽しんだり、主賓のテーブルを訪れて直接お祝いの言葉を伝えたりします。ビジネス関係の祝賀会では、名刺交換を行うこともあります。
祝賀会にレクリエーションを取り入れることで、参加者の記憶に残る式典とすることが可能です。参加型のレクリエーション企画は、会場全体の一体感を高め、主賓を祝う気持ちをより強く共有できます。具体的には、ビンゴ大会やクイズ大会、社員やプロによる演奏などが定番です。
レクリエーションを祝賀会の中盤〜終盤に取り入れることで、進行にメリハリが生まれて、会場の盛り上がりを維持できます。
祝賀会の締めくくりとして、出席者の中で2番目に地位の高い人が中締めの挨拶を行い、その後司会者が正式な閉会を宣言します。
中締めは、祝賀会に一区切りをつけるために行うものです。主賓に対する改めての祝福の言葉、祝賀会の成功への感謝、参加者全員への謝意などが述べられます。一本締めを行うことも多いです。
司会者による閉会宣言は簡潔に行われ、「以上をもちまして、○○祝賀会を閉会いたします」といった言葉で会を締めくくります。二次会を予定している場合は、その案内もあわせて行います。
祝賀会をより盛り上げ、参加者の記憶に残る式典にするおすすめの企画を5つ紹介します。
企画名 | 特徴 |
ビンゴ大会 |
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キングオブラスベガス |
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オール社員感謝祭 |
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格付けバトル |
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バンド演奏 |
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ビンゴ大会とは、数字がランダムに配置されたカードを使用し、司会者が引いた数字と自分のカードの数字が一致したらそのマスにマークを付け、縦・横・斜めのいずれかのラインが揃った人が勝利するゲームです。
ルールが簡単で進行もしやすく、賞品を用意すれば会場に活気が生まれます。年齢や役職を問わず楽しめる点も魅力で、話したことのない他部署の社員と交流するきっかけにもなります。
【祝賀会におすすめの理由】
IKUSAのビンゴ大会は専用システムを活用しており、大人数の参加でもスムーズな進行が可能です。イベント経験が豊富なプロが司会者を務めるため、非日常感を演出することが可能です。「専用システムを活用して担当者の負担を減らしたい」「通常のビンゴ大会よりも特別感や非日常感を演出したい」という方はぜひご相談ください。
キングオブラスベガスとは、世界一平和な「賭けない」カジノです。実際のカジノさながらの本格的なゲームを体験できるアクティビティで、弁護士監修のもと安心して楽しむことができます。
ルーレットやブラックジャック、ポーカー、バカラなどの定番カジノゲームを楽しめます。プロの司会者とディーラーがゲームをわかりやすく進行するため、ゲームのルールがわからなくても問題ありません。
実際のお金は使用せず、参加者はポイント制でゲームを楽しみます。最終的に最も多くのポイントを獲得した人やチームが勝利となります。
【祝賀会におすすめの理由】
オール社員感謝祭は、自社ならではのオリジナル問題で盛り上がる、クイズ大会です。要望に合わせてIKUSAがクイズ問題をカスタマイズするため、社員の皆様だからこそ楽しめる内容にできます。
テレビ番組のような豪華な演出やプロの司会者による進行で、非日常感を味わえる点が特徴です。自社ならではのオリジナル問題で会社への理解を深められて、社員の帰属意識の向上も期待できます。
【祝賀会におすすめの理由】
格付けバトルとは、テレビ番組気分で一流の品を見極めるアクティビティです。俳句、紅茶、絵画、牛肉の4つのジャンルの問題が用意されており、参加者は五感を使って判定を行います。
最終的に回答を集計して、一流の参加者を発表・表彰します。正解発表の際の驚きや笑いが会場を盛り上げ、記憶に残る祝賀会になるでしょう。格付けバトルは、リアル、オンライン、ハイブリッドのいずれの開催形式でも実施可能です。
【祝賀会におすすめの理由】
バンド演奏とは、プロのミュージシャンや社員による生演奏のことです。ジャズ、クラシック、ポップスなど、祝賀会の雰囲気に合わせた音楽のジャンルを選ぶとよいでしょう。
演奏は食事中のBGMとして流すほか、メインの出し物としても披露することも可能です。リクエスト曲の演奏や参加者との合唱など、社員が参加できる要素を取り入れることで、より印象深い演出となります。
【祝賀会におすすめの理由】
祝賀会を成功させるためには、当日の演出だけでなく、開催前から段取りよく準備を進めることが欠かせません。準備不足は、当日の進行に支障をきたすだけでなく、会社の信頼を損ねかねません。一方、しっかりと準備しておくことで、想定外のトラブルにも柔軟に対応でき、安心して当日を迎えられます。
以下では、準備段階で押さえておきたい項目を段階別に紹介します。
祝賀会の準備は、日程と会場の選定から始まります。まず、主賓や重要な参加者の予定を最優先に考慮し、できるだけ多くの関係者が参加できる日程を選定しましょう。
また、会場は以下の要素を総合的に判断し、適切なところを選びます。
人気の会場は数ヶ月前から予約が埋まることも多いため、日程が決まり次第、できるだけ早く会場を押さえることがおすすめです。また、複数の候補日を用意し、会場の空き状況に応じて柔軟に選択できるようにしておくと、スムーズに会場を予約できます。
日程と会場が決定したら、速やかに関係者への連絡と出欠確認を行います。メールでの一斉連絡が一般的ですが、重要な来賓については、メール送信後に電話でのフォローアップもあわせて行いましょう。
メールには、以下の情報を明記します。
返信期限が近づいても連絡がない場合は、社員がメールを見逃している可能性があるため、再確認メールを送信します。出欠状況の回答結果は随時リスト化し、座席配置や食事の手配に活用します。
祝賀会において、祝辞や乾杯の挨拶は欠かせない要素です。依頼する人物を選び、早めに相談しましょう。
先述した通り、最も地位の高い出席者に祝辞を、上から3番目の出席者に乾杯の音頭をお願いするのが一般的です。依頼する際は、以下の内容を明確に伝えます。
遅くとも開催1ヶ月前までには依頼し、相手が十分な準備時間を確保できるよう配慮します。また、万が一断られた場合に備え、代わりの候補者も事前に検討しておくことが望ましいです。
司会者は、祝賀会の進行全体を支える重要な役割を担います。
社員が担当する場合は、話し慣れており、状況判断ができる人物を選ぶと安心です。原稿や進行表を用意し、リハーサルも行っておくと、当日のトラブルにも対応しやすくなります。
【社員が司会を務める場合のポイント】
外部司会者を起用する場合は、祝賀会の趣旨や、主賓・関係者の情報などをしっかりと共有し、祝賀会の雰囲気とに合った進行ができるよう調整を重ねます。
【外部のプロに依頼する場合のポイント】
全ての準備が整ったら、参加者に最終案内を送付します。参加者が祝賀会当日を安心して迎えられるよう、必要な情報を過不足なく記載しましょう。
最終案内に含めるべき内容は、以下の通りです。
開催1週間前を目安に最終案内を送付し、出欠の最終確認もあわせて行います。メールでの送付が一般的ですが、重要な来賓には招待状の郵送も検討します。また、当日の混乱を防ぐために、前日には参加予定者に向けて再び案内メールを送信することがおすすめです。
会社が主催する祝賀会では、式典の雰囲気にふさわしい服装での参加を促す必要があります。服装は参加者一人ひとりの印象を左右するだけではなく、会社の品格や主賓への敬意を示す重要な要素でもあります。祝賀会を開催する際は、案内状やメールなどにドレスコードを明記し、社員が適切な服装で参加できるように配慮しましょう
ビジネスシーンにおける祝賀会では、過度に華美にならず、きちんとした印象を与えられる「準礼装(セミフォーマル)」が基本とされています。
以下では、男女別に祝賀会で求められる服装のマナーについて解説します。
男性社員には、祝賀会にふさわしい、清潔感と落ち着きのある服装を心がけてもらいましょう。
【祝賀会における男性の服装例】
スーツ | 濃紺やダークグレーのスーツ |
シャツ | 白や淡いブルーのシャツ |
ネクタイ | 明るめで光沢感のあるネクタイ |
靴 | 黒またはダークブラウンの革靴(紐付き) |
祝賀会が華やかな式典であることを意識して、ネクタイにはやや明るめの色や光沢のある素材がおすすめです。靴は磨かれた紐付きの革靴が基本となります。エナメル素材などでも問題ありませんが、殺生を想像させるワニ革やヘビ革は避けるよう案内すると安心です。また、腕時計やポケットチーフなどの小物も、派手すぎず、上品なものを推奨するとよいでしょう。
女性社員には、華やかさと上品さのバランスを意識した服装を案内しましょう。時間帯や会場の雰囲気に合わせて、準礼装を基本に、落ち着いた印象の服装が向いています。
【祝賀会における女性の服装例】
ドレス・スーツ | カクテルドレス、セレモニースーツ、膝丈〜ロング丈のワンピース |
ストッキング | ヌーディーカラーのもの |
靴 | 3〜7cm程度のヒールがあるパンプス |
アクセサリー | ホワイトパールなど控えめで上品なデザインのアクセサリー |
バッグ | 小ぶりのクラッチやハンドバッグ |
アクセサリーはホワイトパールなど、清楚で上品なものが向いています。一方で、ブラックパールや装飾が過度なアクセサリーは、フォーマルな場にそぐわない印象を与えるため避けた方が無難です。
靴は3〜7cm程度のヒールがあるパンプスが適しています。サンダルやミュール、ブーツなどはカジュアルな印象になりやすいため、控えるように伝えましょう。
ストッキングは、黒や柄物は避けて、肌に馴染むヌーディーカラーを選びます。バッグには小ぶりのクラッチやハンドバッグを選び、大きな荷物がある場合にはクロークに預けて、手元はすっきりとまとめるのがマナーです。
祝賀会は、会社や団体にとって重要な節目や功績を祝う特別な式典です。祝賀会を成功させるためには、その種類や目的などを正しく理解し、適切な準備と進行を心がけることが欠かせません。
本記事で紹介した基本的な進行の流れや準備は、祝賀会を運営する上での土台となります。その流れに沿いながら、ビンゴ大会やクイズ大会などのレクリエーション企画を取り入れることで、参加者全員が楽しめる充実した祝賀会を実現できます。
また、服装のマナーも、祝賀会の雰囲気を左右する重要な要素です。社員には事前にドレスコードを案内することで、祝賀会全体の品格が保たれます。
祝賀会を会社の歴史に残る式典とするためにも、本記事の内容を参考に、主賓も参加者も心から喜べる素晴らしい祝賀会を企画・運営してください。