更新日:2025年6月27日
文化祭は、生徒たちが主体となってアイデアを形にし、学校全体が一体感に包まれる貴重なイベントです。来場者に楽しんでもらうだけでなく、準備や本番を通じてクラスの絆が深まる機会にもなるでしょう。
本記事では、文化祭の企画アイデアをアトラクション、模擬店、ステージパフォーマンスなど5つのジャンルに分けて30選紹介します。
以下では、アトラクションを用意する文化祭の企画アイデアを7選紹介します。
ヨーヨー釣りは、水を張ったタライやビニールプールにヨーヨー風船を浮かべ、こよりで釣り上げる遊びです。色とりどりのヨーヨーが浮ぶ様子は見た目にも賑やかで、幼い子どもも楽しめます。学生や大人も懐かしい遊びに触れることができる機会になるでしょう。水を扱うため、実施の際は足元の滑りや床の保護に注意が必要です。
ストラックアウトは、数字が書かれた9枚の的を並べたパネルに向かってボールを投げ、狙った的を落とすゲームです。参加者にはパネルから一定の距離を空けた位置に立ってもらい、パネルに向かってボールを投げてもらう形式で行います。競技性があり、友人同士で盛り上がりやすいことが魅力です。
また、初心者から経験者まで難易度を変えて楽しんでもらえるように、得点制や時間制、パネルの分割の数字を増やすなどの工夫が可能でしょう。周囲に十分なスペースを確保し、球が外に出ないよう両脇に柵や網を用意すると安心です。
ダンボール迷路は、教室・体育館などの広い空間にダンボールやパーテーションを使って通路を設け、来場者がゴールを目指して進むアトラクションです。工夫次第で難易度を調整できる点で、子どもから大人まで幅広い層に親しまれる企画として活用しやすいです。たとえば、広い通路や分岐を少なくすれば迷いにくく、難易度を抑えた迷路にできる一方で、狭い通路でしゃがまないと進めない高さのゾーンを作り、分岐を増やしたり、行き止まりを多く設けたりすると、判断力や記憶力がより求められるため難易度は高くなるでしょう。
お化け屋敷は、使用する空間を暗幕で囲み、照明や音響、小道具を使って非日常のホラー空間を演出する企画です。構成やテーマの考案から行い、演者や裏方などの役割が多いため、クラス全体で取り組みやすい企画といえます。
来場者の驚きやリアクションが盛り上がりにつながりやすく、印象に残る体験を提供しやすいでしょう。実施の際は、通路の安全確保や演出の強さの調整など、来場者の年齢や体調への配慮が求められます。
脱出ゲームは、会場に仕掛けられた謎や暗号を解いて制限時間内に脱出を目指す企画です。コンセプトに合わせた謎や暗号、ヒントの制作者や進行役の配置・ヒントの出し方などの決定、誘導係など役割が多いためクラス全体で取り組みやすい内容でしょう。
一貫したストーリー性を持たせると、没入感を高めることが期待でき、難易度の調節や演出の工夫によって、幅広い層の参加者に対応できる柔軟性もあります。
宝探しゲームは、提示した謎やヒントを頼りに校内や教室内に隠された宝を探し出す企画です。謎の難易度や宝の数を工夫することで、参加者の年齢や興味に応じた展開が可能です。ストーリー性を加えると、より盛り上がりやすく、文化祭の雰囲気づくりにもつながります。
実施する際はルールを明確にし、移動範囲や時間を設定することで安全に楽しめるよう配慮しましょう。
フォトブースは、背景や小道具を用意して来場者が自由に写真撮影を楽しめる企画です。テーマに沿った装飾や衣装を用意することで、雰囲気を盛り上げることができるでしょう。記念になるだけでなく、SNSでの発信を通じて思い出の共有や来場促進にもつながる可能性があります。
実施の際はスペースの広さを考慮して通行の妨げにならない配置にし、個人情報の取り扱いには注意が必要です。
以下では、文化祭の模擬店の企画アイデアを7選紹介します。
レトルト食品をアレンジして提供するレトルトグルメバーは、手軽でありながら工夫もできる模擬店です。温めたレトルトカレーやスープにトッピングを加える、ご飯かパンを選べるようにするなど、アイデア次第で豊富なメニュー展開が可能です。
調理が比較的簡単に行えるため、調理設備の限られる文化祭でも実施しやすい模擬店企画でしょう。提供の際は、アレルギー表示の確認や衛生管理に配慮しましょう。
昔のおやつ屋台は、駄菓子やベビーカステラ、型抜き菓子など懐かしさを感じるお菓子をそろえた模擬店です。子どもには目新しく、大人には懐かしさを感じてもらえるお菓子を集めると世代を問わず楽しんでもらえるでしょう。駄菓子屋さんを模した飾り付けにするなど、装飾の工夫も雰囲気を盛り上げるのに効果的です。
市販のお菓子を使用するため、準備や運営がしやすいと言えます。
世界のごはん屋台は、ベトナムのフォーやメキシコのタコス、インドネシアのナシゴレンなど各国のストリートフードを模したメニューを販売する模擬店です。国や地域をテーマにブースを装飾すれば、来場者が楽しみながら異文化に触れるきっかけにもなります。
衛生管理や食材のアレルギー表示に配慮しつつ、調理の手間や提供時間を考慮したメニューを構成できると良いでしょう。
お菓子すくいは、ビニールプールやタライなどに入れた市販のお菓子を、お玉やすくい網ですくえた分だけ持ち帰れる企画です。すくう道具として、お玉・すくい網・ボウル・トングなど複数用意するとゲーム性を加えられます。また列の回転も比較的早く、スペースを大きく取らずに実施できるのも特徴です。
実施の際は包装の消毒や参加者にも手袋を着用してもらうなど、衛生面に配慮しましょう。
トッピングバーは、市販のジュースやコーヒーなどにナタデココやフルーツゼリーといった市販のトッピングを飾ってオリジナルドリンクを楽しめる模擬店です。トッピングを選ぶ工程も楽しく、注文の幅も広がるため調理は不要ながら凝った企画になるでしょう。
実施の際は衛生面に考慮し、トッピングの盛り付けはスタッフによる提供が望まれます。
モーニングセットカフェは、市販のパンや焼き菓子と飲み物を組み合わせた朝食風のセットを提供する模擬店です。モーニングセットを朝じゃなくても食べられるというちょっとした特別感を提供できます。落ち着いた雰囲気を意識し、ちょっとした装飾に工夫を加えると、憩いの場として来店してもらいやすくなるでしょう。
スイーツバーは、ビスケットにホイップクリーム・お菓子などのトッピングを組み合わせた簡易スイーツを提供する模擬店です。トッピングやビスケットは複数の種類を用意し、来場者に好みの組み合わせを選んでもらうと楽しさを演出できるでしょう。
市販品を使用する手軽さがありつつも、トッピングの種類やデコレーションで華やかさも演出でき、工夫のしがいがある企画です。実施の際は衛生面に配慮し、食品の取り扱いや保管方法に注意しましょう。
以下では、ステージパフォーマンスの文化祭の企画アイデアを6選紹介します。
ダンスパフォーマンスは、好きな楽曲やダンスをステージで披露する企画です。オリジナル振付の場合は創造性を発揮しやすく、既存の振り付けの場合も練習を通じて団結力が高まる機会にもなります。ジャンルを問わず取り組みやすく観客にも盛り上がりや一体感を提供しやすい点が魅力です。
取り組む際はリハーサルの時間を十分に確保し、スペースに見合った人数構成にする・激しい動きがある場合はステージ中央で行うなど安全面に配慮した構成が求められます。
バンド演奏は、文化祭ステージの定番として人気の企画です。生徒が自分たちで演奏曲を決め、練習を重ねてステージで披露します。演奏経験の有無にかかわらず挑戦できるスタイルも多く、発表の場を通して達成感や音楽の楽しさを共有しやすい点でおすすめです。
観客との一体感が生まれやすく、会場の雰囲気を盛り上げる役割も担います。音響機材の扱いや音量調整、安全面での注意が必要です。
演劇は、脚本づくりから配役、舞台設営、演出、本番までを行うステージ企画です。既存の台本を活用するだけでなく、アレンジを加えたりオリジナルストーリーを制作したりすることも可能です。限られた時間でのリハーサルや道具の準備には工夫が求められますが、舞台を完成させる過程は学びになるでしょう。
多様な役割があるためクラス全員が参加しやすく、創造性やチームワークを発揮する機会にもなります。
マジックショーは、観客を楽しませるエンタメ要素の強いステージ企画です。観客に協力してもらうといった演出の工夫で観客との一体感も生まれやすく、幅広い年代に親しみやすい企画として検討しやすい点が特徴です。
実施の際はステージの広さ・高さ・観客との距離感を考え、観客からの見えやすさを考慮した演目にすると良いでしょう。
ファッションショーは、モデルがテーマに沿った衣装を身につけてステージを歩く企画です。たとえば、着なくなった服をクラスで集め新しい着こなしを考えたり、古着のアレンジをしたりするなどテーマ次第で表現の幅が広がります。
実施の際は衣装の露出度やテーマの選定には配慮し、事前に教員や関係者と確認を重ねましょう。
クイズ大会は、学校や教科、時事、エンタメなど身近なテーマを使ってクイズを行う参加型のステージ企画です。司会や回答者、出題者に分かれて進行し、観客も参加できる形にすると一体感が生まれやすくなります。問題の難易度やジャンルに偏りが出ないよう事前に調整し、公平性にも配慮することが大切です。
クイズ考案や構成、進行や盛り上げ方も問われる企画として、運営に多くの生徒が関わる企画としてもおすすめです。
以下では、文化祭の展示企画アイデアを3選紹介します。
写真展は、生徒が撮影した作品を教室や廊下などに展示する企画です。テーマを学校の日常・季節の風景などと絞ることで構成しやすく統一感も生まれ、来場者にも伝わりやすくなります。クラス企画としての写真展示は、写真部といった専門の部活で撮られる写真とはまた雰囲気の異なる写真が展示されることが期待でき、生徒の感性に触れる特別な機会になるでしょう。
人物の写真を展示する場合には、個人情報の取り扱いに十分な配慮が必要です。
模型展示は、建築物や乗り物、空想世界などテーマを定め、テーマにあわせて制作した模型を展示する企画です。教室や廊下の一角に専用スペースを設け、説明文や制作過程の写真も添えると製作者のこだわりや作品への想いが伝わりやすくなるでしょう。
壊れやすい作品が多い場合、展示場所の安全確保や触らないように注意する案内が必要です。
歴史展示は、地域・学校の歴史や特定の時代・人物に焦点を当てた資料やパネルを用意し、来場者にわかりやすく紹介する企画です。地元の史跡への取材や図書館で得た情報を分かりやすくまとめて展示する方法があります。史実に基づいた正確な情報発信が求められるため、情報と引用元の確認は慎重に行い、表現の方法も吟味しましょう。
身近なものを掘り下げて探究し展示することで、来場者と新しい発見や関心を共有できる場になることが期待できます。
以下では、文化祭の体験型企画アイデアを7選紹介します。
科学実験ブースは、来場者が簡単な科学実験を体験できる企画です。簡単な実験の企画例として以下のようなものがあります。
視覚的に楽しめる実験を中心に構成することで、身近に潜む科学的な不思議に興味を持つきっかけになることもあるでしょう。来場者との対話を交えながら進行することで、にぎわいが生まれやすい点も特徴です。実施の際は危険な薬品や火気を使う実験はなるべく避け、教員の立ち会いや年齢制限を設けると安心です。
手芸体験は、手芸作品づくりを楽しめる体験型企画です。刺繍やフェルト、ビーズで作れるプログラムを用意し、参加者のスキルや所要時間に応じてメニューを選べるようにすると手軽に参加してもらいやすいでしょう。ものづくりの楽しさを共有できるだけでなく、完成品を持ち帰ることで思い出にも残ります。
世代を問わず参加しやすく、交流のきっかけにもなりやすい点が特徴です。子どもの参加者は小さすぎるビーズの使用は避けるなど、安全面に配慮しながら進行しましょう。
茶道体験は、来場者がお茶会を体験できる企画です。畳や座布団を用意し、簡易的に茶室の空間を演出すると雰囲気が出ます。茶の頂き方や所作をサポートすることで、初めての人にも安心して参加してもらえるでしょう。
また、茶道体験は、賑やかな文化祭企画の中でも比較的落ち着いた企画のため、静かな時間を味わえる点も魅力です。実施する際は、熱湯の取り扱いに十分な注意しましょう。
書道体験は、筆と墨を使って自由に文字を書くことができる文化祭の人気企画です。好きな言葉や名前を半紙に書き、簡単な作品づくりに挑戦できます。墨汚れ対策として、机に新聞紙を敷いたり、エプロンを用意したりすると安心です。
日本文化に触れながら、自分の表現を楽しめる点が魅力で、参加者の作品は持ち帰るか展示するかを選んでもらえると気軽に参加してもらいやすいでしょう。
キャンドルづくり体験では、好みの色や香り、型を選んで自分だけのキャンドルを制作します。たとえば使わなくなったろうそくを再利用して作るアロマキャンドルの場合、材料の準備も手軽でSDGsの観点からもおすすめです。
また、着色料やアロマに加えて、ジェルワックスで作るジェルキャンドルや装飾も複数あると選ぶ楽しさを提供できるでしょう。実施の際は湯煎の代わりに電子レンジを使うことで、安全に運営しやすくなります。
保冷剤の中身のジェルに香料や着色料を加え、透明カップや瓶に入れることで芳香剤を作ることができます。廃材の再利用にもつながるため、環境への関心を持つきっかけにもなり得るでしょう。また、火を使わずに混ぜるだけで作れるため安全性が高く、持ち帰って使える点でもおすすめです。
実施の際は手袋や作業マットを用意し、汚れや誤飲に注意しましょう。
見た目はスライムのようで、実は食べられるスイーツを手づくりする体験企画です。グミやマシュマロを溶かして色や形を自由にアレンジできるため、遊び心を刺激する企画になるでしょう。調理工程では火を使わず、ラップやカップ、電子レンジを活用して安全面に注意しましょう。
五感を使った体験を通じて、食や科学への興味が広がる場になる可能性があります。開催にあたっては、手袋マスク着用必須で、衛生管理や食物アレルギーへの配慮が重要です。
ここまで、アトラクション・模擬店・ステージパフォーマンス・展示・体験型の文化祭企画アイデアを30選紹介しました。来場者の年齢層や学校の雰囲気、使用できるスペースや時間に合わせて、無理のない範囲で企画を考えることが大切です。本記事を参考に、自校ならではの個性が光る文化祭づくりに役立ててください。