更新日:2025年11月18日


自治体や企業の主催で、「ファミリーフェス」と題したイベントが開催されることがあります。その名の通り、ファミリー層をターゲットとしたイベントです。
本記事では、ファミリーフェスとはどのようなイベントなのか、ファミリーフェスの主な目的、ファミリーフェスを企画する際のポイント、ファミリーフェスを成功させるコツ、ファミリーフェスにおすすめの企画を紹介します。

フェスとは、「フェスタ」や「フェスティバル」の略語です。本来は「お祭り」という意味の言葉ですが、お祭り以外のイベントやセミナー、就職や移住の説明会なども、フェスという名称で開催されることがあります。比較的規模の大きなイベントに使われることが多いですが、特別な定義はありません。
同様にファミリーフェスも決まった定義はありませんが、本記事では「家族で楽しめるイベント」をファミリーフェスと呼ぶことにします。
全国各地でさまざまなファミリーフェスが開催されており、その対象はイベントによってさまざまです。たとえば、ざっくりと「家族」を対象にしているイベントもあれば、「親子や妊娠中の方」、「中学生までのお子さんがいらっしゃる方」のように、ある程度対象者を絞り込んでいるイベントもあります。また、「家族向け」に限定せずに、子どもから大人までみんなで楽しめるイベントを、ファミリーフェスとして開催するケースもあります。
時代とともに「家族」の形も多様化していますので、目的やニーズに合わせて適切なイベントを企画することが大切です。

ファミリーフェスを開催する目的は、「どこで開催されるのか」「誰が主催なのか」によっても異なります。ここからは、ファミリーフェスの主な目的を、
の3つの種類に分けて紹介します。
商業施設で開催されるファミリーフェスの主な目的は、大きく「集客」「回遊性の向上」「地域貢献」の3つに分けることができるでしょう。
商業施設でファミリーフェスを開催することで、ファミリーフェスを目的に多くの人が商業施設に足を運んでくれる可能性があります。ファミリーフェスに参加するために、初めてその商業施設を訪れる人もいるでしょう。「ついでに買い物をしていこう」「お昼もここで食べよう」などと、商業施設内の店舗も利用してもらいやすくなります。
ファミリーフェスを開催することで、人が商業施設に集まりやすくなり、新規顧客の獲得、売上アップなどの効果が期待できるのです。
ファミリーフェスのなかで、商業施設内のいろいろな場所を巡るような企画を実施することで、回遊性を高めることができます。たとえば、スタンプラリーや謎解き、宝探しなどです。
これにより、参加者に商業施設内の多くの店舗を認知してもらえるようになります。これまで特定の店舗しか利用していなかった人に、「こんな素敵なお店があったなんて知らなかった」と、新たな魅力に気づいてもらえるかもしれません。
回遊性を高めることで、商業施設に滞在する時間が延び、購買の機会も増えます。その結果、商業施設全体の売上アップにつなげることができるのです。
商業施設は、地域の方々に利用してもらうことが重要です。ファミリーフェスは、地域の方々とのつながりを深める一つの手段でもあります。イベントの内容を地域に密着したものにすることで、地域の方々に愛着を持ってもらいやすくなるでしょう。また、地域の特産品を販売したり、伝統文化を紹介したりする企画を実施すれば、地域活性化にもつながります。
このような効果が狙えることから、地域貢献活動の一環としてファミリーフェスを開催する商業施設もあります。
自治体が開催するファミリーフェスは、地域住民同士の交流促進や、地域活性化を目的としたものが多いです。家族で特別な体験や思い出作りができるイベントが定期的に開催されると、地域に対して愛着を持ってもらいやすくなります。
また、親子で楽しく防災を学んでもらうことを目的とする「防災ファミリーフェス」のように、何かに特化したイベントをファミリーフェスとして開催するケースもあります。
自治体が開催するファミリーフェスは、地域を盛り上げることや、地域住民の暮らしをよりよくすることなどが目的といえるでしょう。
企業が自社で働く社員の家族を招待して開催するファミリーフェスは、一般的に「ファミリーデー」と呼ばれます。企業主催のファミリーフェスは、社員の家族に職場や仕事について理解を深めてもらうことが目的です。その他に、社員と家族・社員同士に交流を深めてもらえる、絆を強化できるという効果も期待できます。
そのため、ワークライフバランス実現に向けた取り組みの一環として、ファミリーフェスを開催するケースが多いです。

ファミリーフェスを成功させるために、企画する際は以下のポイントを押さえておきましょう。
ここまでにご紹介したように、ファミリーフェスの目的にはさまざまなものがあります。まずは、何を目的としたファミリーフェスにするのかを明確にすることが重要です。
そして、目的にもよりますが、ターゲットはできるだけ絞り込むことをおすすめします。たとえば、ざっくりと「家族」や「親子」をターゲットとするのではなく、保護者や子どもの年齢なども決めておくとよいでしょう。
最初に目的とターゲットを明確にすることで、適切な企画や最適な告知・宣伝方法を検討しやすくなります。
何かを見るだけのイベントよりも、「体験」できる企画があると、参加者に喜ばれます。ファミリーフェスは主に家族や親子を対象としたイベントですので、子どもたちが喜ぶ体験を用意できるとよいでしょう。
たとえば、簡単なワークショップやゲーム・アクティビティを実施する、遊具を用意するなどの方法が考えられます。保護者にも楽しんでもらえるように、「子ども向け」ではなく親子で一緒に体験できる企画にするのもおすすめです。ショー形式のイベントの場合は、ショーの後に出演者と写真撮影ができる時間を設けたり、観客参加型のショーにしたりすると喜ばれるでしょう。
ファミリーフェスにおすすめの企画は記事後半でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ファミリーフェスに子どもを連れていくのは保護者です。そのため、保護者が「参加しやすい」と感じる内容にすることも重要です。具体的には、以下のポイントをチェックしてみてください。
楽しい企画を用意することはもちろん重要ですが、「参加しやすさ」も意識することで、イベントの満足度をより高めることができます。

次に、ファミリーフェスを成功させるための3つのコツを紹介します。
せっかくファミリーフェスを企画しても、開催することを知ってもらわなければ、当日人は集まりません。イベントの詳細が決まったら、しっかり告知をすることが重要です。
効果的な告知方法は、イベントの規模や内容、ターゲットによっても変わってきます。たとえば、地域の方々を対象にしたファミリーフェスなら、チラシを駅や幼稚園などに置く、各家庭にポスティングする、地域のフリーペーパーに掲載するなどの方法が考えられます。遠方からの来場も想定している大規模なファミリーフェスなら、インターネットやSNSを利用した告知がおすすめです。
ファミリーフェスは、開催して終わりにしてはいけません。終了後は、参加者にアンケートをとるなどしてフィードバックを集めましょう。良かった点や改善点、今後実施してほしいテーマなどを把握して、次回のイベントにつなげていくことが大切です。
紙のアンケートをイベント会場で配布する方法以外に、最近はQRコードを使ったオンラインアンケートを実施するケースも増えています。回収率を高めるために、回答してくれた人に対して何か特典を用意することも検討してみてください。
ファミリーフェスを開催するなら、イベント会社に協力を依頼してみてはいかがでしょうか。
イベント会社は、これまでにさまざまなイベントを数多く手がけてきています。企画の段階でイベント会社に相談することで、これまでの経験からユニークで魅力的な企画を提案してもらえる可能性があります。イベントの告知も効果的な方法で行ってくれるため、人も集まりやすくなるでしょう。また、イベント会社によっては準備や当日の運営、実施後のアンケートまで任せられるため、イベント開催にかかる負担を減らせるというメリットもあります。
イベント会社によってサービスの範囲や料金、得意分野も異なりますので、十分比較検討したうえで依頼先を選びましょう。

最後に、ファミリーフェスにおすすめの企画を9つ紹介します。
「チャンバラ合戦」は、スポンジの刀を使ってチャンバラ遊びをするというアクティビティです。
参加者は、腕にボールを装着して戦います。このボールがその人の「命」となるので、これをスポンジの刀で落とし合うというものです。ルールが非常に簡単なので、小さな子どもから大人まで一緒になって楽しめます。
体育館のような広いスペースが確保できるなら、屋内のイベントでも実施可能です。
「水合戦-Water Battle-」は、参加者の胸に付いている「魂」めがけて水鉄砲を撃ち合うというウォーターアクティビティです。
こちらも「チャンバラ合戦」同様にルールがシンプルなので、親子で一緒に楽しめます。合戦をより盛り上げるために、バルーンの矢盾、城壁、馬防柵などを会場に設置することも可能です。
実施するためには、屋外に広いスペースを確保していただく必要があります。かなり水に濡れますので、暑い時期のイベントにおすすめです。
「忍者合戦」は、忍者になりきって戦うアクティビティです。「チャンバラ合戦」同様に、腕に付けたボール(命)を、痛くない刀で落とし合います。
参加者には、衣装(忍ビブス)を貸し出しいたします。これを着用すれば、簡単に忍者になりきれます。「忍者」や「侍」は海外の方にも人気がありますので、インバウンド向けのイベントにもおすすめです。
地域密着型のイベントを考えている、地域の歴史も知ってほしいという場合は、地域に伝わる忍者の伝承や歴史を取り入れることもできます。
「防災ヒーロー入団試験」は、親子で楽しく防災について学べるワークショップです。
このワークショップでは、防災を「事前準備」「災害発生」「発生直後」「避難生活」「生活再建」という5つのフェーズに分け、それぞれのフェーズに応じた種目にチャレンジしていただきます。1種目は15分ほどで、どれも子どもでも参加できる簡単なものとなっています。各種目を回ってスタンプを集めると、防災ヒーロー入団証として缶バッジを作ることができます。
「災害都市からの脱出」も、親子で防災を学べるアクティビティです。ストーリーに沿って謎を解いていくことで、災害都市からの脱出を目指します。
謎の難易度は低めに設定されており、8歳からお楽しみいただけます(保護者同伴であれば8歳未満でもOKです)。イベント会場内に謎を散りばめれば、参加者に回遊を促すことができます。このような周遊型の謎解きゲームは、商業施設のイベントや、地域活性化を目的としたイベントにもおすすめです。
「うっかりサンタと秘密のクリスマス」も、周遊型の謎解きゲームです。「サンタさんがプレゼントを隠した場所を忘れてしまった!」というストーリーに沿って、謎解きを進めていきます。
流れとしては、まず参加者に謎とマップが入った冊子を配布します。参加者はそのマップを見ながら会場を回り、会場内に設置されたパネルの謎と冊子に書かれた謎を組み合わせて、答えを考えます。
対象年齢はこれまでに紹介した企画に比べると少し高めで、小学校高学年~となっています。
「ヒラメキクエスト」は、チームで取り組む謎解きフォトラリーイベントです。制限時間内に謎解きや写真撮影のミッションをクリアして、より多くのポイントの獲得を目指します。
この企画は、特に地域のファミリーフェスにおすすめです。いろいろなところを巡りますので、参加者に地域の魅力や歴史を知ってもらうことができます。また、ミッションとして家族で一緒に撮った写真は、きっとよい思い出になります。協力してミッションに取り組むことで、絆も深めてもらえるでしょう。
こちらも対象年齢は少し高めで、小学校高学年~となっています。
「SDGsアドベンチャー」は、親子で楽しくSDGsを学べるワークショップです。
これらのなかから、イベントの目的やテーマに合わせてお好きなワークショップをお選びいただけます。すべてクリアできた人には、SDGs缶バッジがプレゼントされます。
「キッズタウンビルダーズ」は、親子向けの職業体験ワークショップです。
この職業体験ワークショップの大きな特徴が、「映える」職業ではなく「身近な」職業を体験できるという点です。事務職、デザイナー、工場の責任者、販売従事者、レストランスタッフのなかから、イベントのテーマに合わせてお好きなものを選択いただけます。
子どもの対象年齢は8~12歳です。小学校中学年~高学年向けの企画を探しており、楽しいだけでなく学びの場も提供したいと考えているなら、ぜひ「キッズタウンビルダーズ」をご検討ください。

ファミリーフェスに決まった定義はありませんが、一般的にはファミリー層を対象としたイベントを指します。そのため、何か子どもが喜ぶ「体験」を用意できるとよいでしょう。本記事で紹介したおすすめの企画も、よろしければ検討してみてください。