更新日:2025年5月20日
目次
社員総会は、全社員が一堂に会する貴重な機会です。実施することで社員の交流が促されたり、帰属意識やモチベーションが向上する効果が期待できます。
本記事では、社員総会の概要や開催時期・目的、開催方式、スケジュール例、面白い企画例、実施する際の流れについて紹介します。
社員総会とは、前期の業績報告や社員表彰、次期の経営方針の共有などを行う社内イベントです。年度や四半期などの節目に開催され、全社総会やキックオフなど、会社によって呼び方はさまざまです。
会社の理念の再確認や社員同士の交流を目的としたコンテンツも組み込まれることが多いため、社内の一体感を高め、会社の文化を醸成する機会として多くの会社で重視されています。
株主総会は、株式会社における最高意思決定機関です。株主が出席して、取締役・監査役の選任や解任、配当、定款変更などについて決議します。会社法により、年に1回以上の開催が義務付けられています。
【社員総会と株主総会の違い】
項目 | 社員総会 | 株主総会 |
設置場所 | 一般社団法人に設置 | 株式会社に設置 |
参加者 | 自社の全社員 | 株主 |
目的 | 社員同士の交流
社員の労いと激励 経営理念・ビジョンの共有 |
会社の現状や今後のビジョン、事業計画等の説明
株主からの承認を得る |
社員総会の開催時期や頻度は会社によって異なりますが、以下のようなタイミングで開催されることが一般的です。
開催時期 | 開催頻度 |
年度末、年度初め | 1年に1回 |
半期ごと | 1年に2回 |
四半期ごと | 1年に4回 |
事業年度の区切りに合わせて開催することで、前期の振り返りや次期の方針共有が行いやすくなります。また、毎年同じ時期に開催すれば、社員にも社内イベントとして定着するでしょう。
おおよその開催時期が決まったら、経営陣などと日程調整を行い、詳細な日程決めを行います。
社員総会を開催する目的は、主に以下の2つです。
社員総会は、経営層が社員に直接メッセージを届ける絶好の機会です。メールや社内報でも情報を伝えられますが、社員総会では「会社が社員に何を期待しているのか」「どのような価値を社会に提供したいのか」という背景や想いもあわせて伝えることが可能です。社員一人ひとりが自分の業務や役割についてあらためて向き合うきっかけとなり、会社の方向性に対する理解と共感を得やすくなります。
社員が会社に共感して主体的に取り組むようになれば、業務の質やスピードが向上し、結果として会社の成長や業績向上にもよい影響を与えます。さらに、その姿勢は顧客や取引先などのステークホルダーにも自然と伝わり、会社のブランド強化につながるものです。
規模の大きい会社では、日常業務において他部署や別拠点の社員との接点は多くありません。さらに、テレワークや働き方の多様化が進んだことにより、同じ部署の社員とも顔を合わせる機会が少ないという会社もあります。
社員総会を開催すれば、普段交流のない社員同士が直接顔を見て交流できます。他部署の取り組みなどについて知られるため、視野が広がると同時に、会社への理解を深めることが可能です。
社員同士の交流の促進は、単に社員同士が仲良くなるだけでなく、生産性の向上や業務改善、新しいアイデアの創出につながる可能性もあります。働きやすい職場づくりにも繋がり、仕事に対するやる気の向上まで期待できます。
社員総会の開催方式は、リアル(オフライン)、オンライン、ハイブリッドの3つに分けられます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解し、会社の目的や状況に応じて適切な方法を選ぶことが大切です。
リアルは、社内の大会議室や外部の貸会議室、ホテルなどを借りて、社員を一か所に集めて開催する形式です。
リアル開催は、臨場感のある空間で一体感を醸成しやすく、対面ならではの交流が生まれます。一方で、準備や費用などの負担が大きくなる点には注意が必要です。
メリット | デメリット |
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オンライン社員総会は、Web会議システムなどのITツールを活用し、インターネット上で実施する形式です。近年のIT技術の進化により、多くの会社で取り入れられるようになりました。
オンライン開催は、場所に縛られず柔軟に実施できる点が魅力です。ただし、視聴環境や集中力の維持には工夫が求められます。
メリット | デメリット |
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ハイブリッドは、司会や経営陣、表彰受賞者など一部の参加者がオフラインで参加し、その様子を撮影した映像を他の社員がオンラインで視聴する形式です。
ハイブリッド開催は、リアルとオンラインの両方のメリットを享受できる柔軟な形式です。その分、準備の手間が増えるというデメリットもあります。
メリット | デメリット |
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社員総会の内容は、会社の文化や目的に合わせて決められます。一般的な社員総会の流れは以下の通りです。
所要時間はプログラムの内容によって異なり、2時間程度の小規模な内容から、1日かけて実施される大規模なものまでさまざまです。会社の規模や開催の目的に応じて、社員総会の内容やスケジュールを検討しましょう。
社員総会をより印象的なものにするには、参加型のアクティビティを取り入れることがおすすめです。ここでは、会場の一体感を生み出せるおすすめのコンテンツ企画を7個紹介します。
【面白いコンテンツ企画7選】
企画例 | 特徴 |
チャンバラ合戦 |
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マジックショー |
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ビンゴ大会 |
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格付けバトル |
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オール社員感謝祭 |
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オリジナル動画の上映 |
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絵しりとり |
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チャンバラ合戦は、スポンジ製の刀と、腕に装着する命と呼ばれるボールを使って戦う、大人数参加型のアクティビティです。参加者はチームに分かれ、戦略を立てながら協力して勝利を目指します。
参加人数によって実施時間の目安は異なりますが、1時間半〜2時間半程度を目安に考えておくとよいでしょう。参加人数は30名〜で、広い場所を確保できれば1,000名以上の規模でも実施可能です。
体力や運動能力の差が勝敗に直結しにくく、誰でも楽しみやすい点が大きな特徴です。チームメンバーと声を掛け合いながら進めるため、交流促進にも繋がります。
マジックショーは、プロのマジシャンの本格的なパフォーマンスにより、会場が一気に盛り上がる企画です。トランプやコインを使った近距離のテーブルマジックから、会場全体を使った大規模なマジックまで、様々な演目があります。社員がマジックに参加できる演目を用意すれば、会場全体が盛り上がるでしょう。
ビンゴ大会は、抽選された数字がビンゴカードの中の数字にないか確認し、カード上で縦・横・斜めのいずれか1列が揃うと勝利となるアクティビティです。実施時間は30分〜1時間程度が一般的で、10名〜1万人程度参加できます。
社員総会に限らず、様々なイベントで盛り上がる定番の企画で、ルールを知っている人が多いのが特徴です。社員が喜ぶ景品を用意すれば、さらに参加意欲を高められます。
格付けバトルは、俳句や紅茶、牛肉、絵画などのジャンルで、一流の品を見極めるアクティビティです。五感を使って一流の品を見抜く力が試され、全問正解すると「一流のゲスト」に認定されます。実施時間の目安は、45分〜1時間程度です。
食べ比べや香りの嗅ぎ分けなど、実際に体験しながら楽しめるため、盛り上がりやすいのが特徴です。出題内容に工夫を加え、自社の商品やサービスに関するものをテーマにすれば、自社の理解を深めることにもつながるでしょう。
オール社員感謝祭は、自社ならではのオリジナル問題で盛り上がる、社員が主役となって楽しめるアクティビティです。業界の知識や会社の歴史、自社の商品・サービスなどに関する問題を出題することで、楽しみながら会社への理解を深められる企画として人気があります。
実施時間の目安は、30分〜1時間程度で、参加人数は30名から2,000名規模まで対応可能です。専用システムを使用することで、参加者はスマートフォンから簡単に参加できて、オンラインやハイブリッドの開催にも対応できます。
オリジナル動画の上映は、社員総会を印象的なものに演出するコンテンツとして活用されています。創業当時からの歴史を振り返る映像や、社員への取材内容をまとめたドキュメンタリー風の映像、経営陣からのビデオメッセージなど、会社の文化や今後の展望を伝える手段として有効です。
プロの制作会社に依頼すれば、BGMやナレーション、字幕などを活用した高品質な動画に仕上がり、感動や一体感を生み出せるでしょう。制作した動画はその後も研修や採用活動などで利用できるため、費用対効果も高い施策として注目されています。
社員総会を実施するまでの基本的な流れを紹介します。計画的に準備を進めることで、当日の混乱を防ぎ、効果の高い社員総会を実現できます。
まずは社員総会の運営メンバーを選出し、運営体制を整えることから始めます。総務部や人事部を中心としてメンバーを選出する場合もありますが、各部署から社員を選出してメンバーを構成することがおすすめです。様々な部署からメンバーを集めることで、様々な視点を反映しやすくなります。
準備を進める際は、まず中核となるメンバーを選出し、その後徐々にメンバーを増やしていきましょう。
「誰に、何を、どのように伝えるか」という3つの観点から考えると、社員総会の内容が効果的なものになります。この観点を明らかにするためにも、「社員に会社の理念を改めて理解してもらいたい」「部門を超えた一体感を生み出したい」といったように、開催目的を具体的に決めましょう。
開催日や参加人数、おおまかなプログラムが決まったら、開催方式と会場の選定に進みます。参加人数や目的、働き方などに応じて、リアル、オンライン、ハイブリッドから自社に合う開催方式を選びましょう。
開催方式 | 向いている会社の特徴 |
リアル |
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オンライン |
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ハイブリッド |
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社員総会の具体的な内容を決めていきます。経営方針の共有や業績の振り返り、表彰式など、基本的な要素に加え、会社の理念の共有や集団討論、体験型学習など、目的に合わせたコンテンツを盛り込みましょう。懇親会やレクリエーションを開催する場合は、会場の確保が必要です。
実施するプログラムに必要な備品や機材の準備も忘れてはなりません。台本や進行マニュアルを参考に必要な備品や機材を箇条書きでまとめ、漏れがないように準備しましょう。
オンラインで社員総会を開催する場合は、配信機材の準備や使用する配信システムの確認なども欠かせません。当日に慌てないように、機材やサービスについては事前に使用方法を確認します。想定外のトラブルが発生する可能性もあるため、トラブル発生時の対処法も、あらかじめ決めておきましょう。
社員総会の開催前には、必ず本番と同様のリハーサルを行います。進行や演出の確認だけでなく、登壇者の立ち位置や機材の操作、画面共有の流れなども実際に試しておくことで、本番も落ち着いて進行することが可能です。
特にオンラインで開催する場合は、機材トラブルを未然に防ぐために、設定や機材の使い方まで入念に確認しましょう。リハーサルで想定外の事態が発生しても、本番までに対応策を練られるため、社員総会でトラブルが発生するリスクを抑えられます。
社員総会が終わったら、運営メンバーで振り返りを行う機会を設けます。全体としては成功でも、細かな連携ミスや進行の遅れなど、細かい課題が見つかるかもしれません。また、参加者にアンケートを取ることで、参加者の視点からの意見や感想を反映させられて、次回以降の社員総会の質がさらに高まります。
社員総会の運営メンバーは、毎年同じとは限りません。担当者が変わっても反省点や気づきなどを引き継ぐために、マニュアルなどを作成しておくとよいでしょう。
社員総会を成功させるための重要なポイントを2つ紹介します。
社員総会を成功させるためには、社員を巻き込むことが重要です。特定の部署が社員総会の運営メンバーの中心となって進めることは問題ありませんが、そのメンバーで完結してしまっては、社員の主体性や一体感は生まれにくくなります。
「忙しいのに社員総会に参加する余裕がない」「内容が一方的であまり意味を感じない」といった声があがる可能性もあります。社員の主体性を引き出して参加意欲を高められるように、積極的に社員を巻き込みましょう。例えば、懇親会の企画チームを立ち上げて、各部署や各世代からメンバーを選出し、交流促進を図るという方法があります。
社員総会の準備には、非常に多くの時間や人員が必要となります。日々の仕事が忙しくて、社員総会の準備の時間を確保できない場合には、イベント企画会社への相談を検討しましょう。
また、「より満足度の高い内容にしたい」「参加者の印象に残る社員総会にしたい」と考える会社にも、業者への相談がおすすめです。イベント企画業者は、豊富な実績と専門的な知見をもとに、より社員の印象に残る社内総会の案を提案してくれます。
イベント企画会社に相談するメリットは以下の通りです。
社内メンバーのみで運営する場合よりも予算はかかりますが、より盛り上がる社員総会を実現できます。担当者の負担も軽減できるため、ぜひイベント企画業者への相談を検討してください。
社員総会は、業績を報告するだけではなく、会社の方向性や価値観を共有し、社員同士の交流を促進できる機会です。社員総会を成功させるために、運営メンバーの選出から開催目的の明確化、開催方式・会場の決定、内容の検討、必要な備品や機材の準備、リハーサルの実施、開催後の振り返りまで、計画的に進めていきましょう。
また、イベント企画業者のノウハウを活用することも効果的です。イベント企画業者は、豊富な実績と専門的な知見をもとに、より社員の印象に残る社内総会の案を提案してくれるため、社内のメンバーのみで行う場合よりも効果的な社内総会を実現できる可能性があります。リソースが足りない会社だけではなく、効果的な社内総会を開催したい場合にも、利用を検討してみることがおすすめです。
社員総会は、会社の文化を醸成し、会社の成長につなげる重要な機会です。ぜひ自社に合った形で、価値ある時間を創出しましょう。